みちすがら

寄り道、近道、回り道

日々

僕が生きれば生きるほど、僕の背中は重くなっていく
何かに背中を押されて一歩足を前に踏み出すたびに、後戻りが出来なくなる
もう一度小さいころに戻りたい、そんなことを考えたりする

同じ机を囲む彼らが言葉を発するその度に、自分の小ささを突き付けられる
まるで知らない言葉を話しているような周りの人々の会話
それなのに、どんどん進んでいく会話
僕だけが取り残されているような感覚
同じ場所にいるはずなのに、僕だけが一つ下の階にいるような感覚

何も変わっていないかのように、毎日同じように訪れる朝
それなのに、僕の知らないところでどんどん変わっていく世界
自分が今どこにいるのか、何をしたらいいのかもわからない
地図もなく、当てもなく、彷徨うように時を旅する自分
目的地なんて存在しない
たどり着いたその場所が目的地だということにする
そんな旅をする自分

逃げ出したい
何もかも投げ出したい
消えてなくなりたい

あぁ
何も食べなくても、何も飲まなくても、生きていけたらいいのに
そうしたら僕は、どこかで静かに横たわりながら
空に浮かぶ雲の数でも数えながら、毎日を過ごすのに

どうして僕はいつもここではないどこかを夢見てしまうのだろう
どうしていつも逃げ出したくなるような場所に来てしまうんだろう
それなのにどうしていつも逃げ出せないんだろう

逃げることも、進むこともできずに僕はただ立っている
しばらくすると、何かが僕の背中を押して、僕の足は一歩前に出る
すると、僕はもう後ろにはもどれない
そうやって僕の日々は進んでいく